ハンガリーの首都、ブダペストは美しい街である。特に国会議事堂が素晴らしく綺麗。
街自体は、チェコのプラハに似ていると感じた。どちらも街の真ん中が川で隔てられていて、西側に王宮が存在。そして落ち着いた街並。
今回は友人のご実家におじゃまして、ハンガリーの家庭料理も頂いた。サラミ、パプリカ、チキンスープ、ダンプリング(肉まんの外側)、パプリカチキン、、、どれも美味しかった!あと分かったのは父親の名前と長男の名前が一緒ということ。そうすると父系が繋がる限り同じ名前になる。住友家当主、十七代目住友吉左衛門みたいなものか・・・。
ハンガリーはアジアがルーツと言われるマジャル人が多数を占めるので、東欧でも少し違うと見なされることが多い。しかしハンガリー人に言わせると、アジア出自というのはストーリーとしては面白いが、現在はそんなことを意識している人は居ないとのこと。確かに日本人で自分達のルーツが大陸だ!と強く意識している人は居ない。
僕から見てもアジアではなく、完全にヨーロッパの一部という印象。ハンガリー人は、ラテンよりはゲルマンの気質に近い。ゲルマン系が住んでいる北部ヨーロッパは冬場は寒くなるので働かないといけない。ハンガリーも冬は寒い。暖かいラテンの国は働かなくても死なない。。のでだらだらする。投資対象として向いているのは勿論ゲルマン気質である。一方でご飯がおいしいのはラテン。
右傾化した政権はポーズか?
ハンガリーはオーストリア=ハンガリー帝国時代にスロバキアやルーマニアといった他の東欧諸国に対して強い態度でいたので、仲が良くない。
そして僕から見ると、最近東欧、特にハンガリーは右傾化しつつあるという印象だった。
例えばハンガリー出身の投資家として有名なジョージソロスが移民・難民支援のNGOを支援しているとして、現在の右傾化した政権は反ソロスキャンペーンをこの7月にもやっており、結構露骨である。ソロスが創設した大学を閉鎖してしまえという動きもあり、何だかなぁという気がする。一方で政権に反対する大規模デモもあった。
ソロスは祖国の攻撃をどう思っているんだろうか。彼は悪魔だという声もあるらしい。僕がソロスだったら泣いてる。涙は流さないけど。ソロスが1980年代、東欧に大量の資金を投じて共産主義から民主化への転換を支援していたことは僕はプラスに捉えているし、この旅行中もルーマニアやモルドバ出身で、若い頃にソロスの奨学金で学べたと彼に感謝していた人達に会った。
ただ、このような右傾化した動きは政権のポーズに過ぎないとの意見もある。移民問題はたいした問題ではなく、選挙対策らしい。
実際は移民問題より、国内の労働力不足が課題。スキルを持つハンガリー人も持たないハンガリー人もドイツやスイスといった給料の高い国に働きに出てしまう・・・。
それならなおさら移民を受け入れた方がいいのでは、、、と思ってしまうが。
共産主義時代の影
第二次世界大戦後の共産主義時代は1956年のハンガリー動乱がソ連に鎮圧された様に、暗い時代だったのかなと僕は思っていたのだが、合っている人にはあっていたらしい。楽だから。8-16時で8時間労働、やる気がある人はその後17-20時で自分のために闇で働く。共産主義が終わって誰もが自分で稼がないといけなくなったので文句言う人も多かった。
そして共産主義下ではテレビは3種類しか選択肢がなくて楽だった。今は選択肢が多過ぎる。これは正しい認識で、多くの人間は選択肢が多過ぎると混乱して決められなくなりイライラするが、選択肢が無い状況も苦手である。
一方で想像通り、車は東ドイツ製で質が悪かった。そして共産主義は経済をだめにする。それはキューバで強く感じたことである。
EU加盟国だがユーロ不採用
ハンガリーは2016年の政府債務がGDP比74%と多いこともあり、ユーロに加盟出来ていない。(ちなみに前も書いたが日本は232%で世界最悪・・・。)
ユーロ導入はどうするのかしらと思っていたが、ハンガリーはもはやユーロに加盟する気はない模様。金融政策の自由度が減るから。一方でEUから抜けるということはない。人口1,000万人と大きい国ではないハンガリーにとって、EUはワンボイスでEU外と交渉出来ることが強み。
UKのブレグジットを見て、他のヨーロッパの国は学んだらしい。EU崩壊とはならないだろう。一方で成熟したヨーロッパ圏は激しく成長もしないと思われる。日本みたいにぼちぼちになるのでは。そしてユーロ導入した国はユーロが色々な国で使えて便利なので後戻りはしないだろう。
ちなみにハンガリーのビジネス相手国はドイツが多い。1/4はドイツが占めている。
貴腐ワインの産地、トカイ
首都ブダペストから東に電車で3時間弱かけて到着するトカイは、トカイアスーという世界三大貴腐ワインのうちの一つで有名。トカイアスーを僕が初めて飲んだのは2009年に行っていたワインスクールの初回授業だったが、なんだこりゃ、あまあま〜でめっちゃおいしい!と思ったことを覚えている。ちなみに僕はワインスクールに行くまで赤ワインはポリフェノールの味がしておいしくない!!と思っていた。まじで。じゃあなんで行ったのかというと将来お呼ばれするかも知れない晩餐会に備えるためである。まだ呼ばれてないけど。あとは前年(2008年10月)にフランスに旅行行った際に、料理をより楽しむにはワインを知っておいた方がいいなと思ったから。
貴腐ワインというのはボトリティス・シネレア菌(テストに出ます)の作用でブドウがいい感じに腐って糖度が濃縮された状態になったもの。とってもあまあまワインなのである。世界三大貴腐ワインにおけるトカイ以外の2つは、フランスのソーテルヌとドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ。
あまあまワインは食後のデザートワインとしてもよろしいし、ハンガリーのフォワグラと合わせてもよろしい。
そしてトカイ、元々の人口が5,000人くらいというのもあるが、人が全然いない。思ったより田舎である。なぜか分からないが至る所で犬がワンワン吠えていた。
City sightseeing bus
どこかで書こう書こうと思っていたが、どこの国でも見かける、City sightseeing busはスペイン企業で1999年にスタートしたサービス。ルート内でどこでも乗り降り出来る(Hop-on hop-off)観光バスであり、多言語対応が特徴。
この会社、上場はしていない。ローカルバス運行者と組んでのフランチャイズモデルで世界各国で伸長しており、USやヨーロッパだとあらゆる都市で見かける。日本は未進出。
と書いたが、、、僕は徒歩が好きだし、この会社のバスは高いと思っているので乗らない。明らかに通常の公共交通機関の方がお得である。