チベット/ラサ。チベット仏教徒の問答修行

前回のブログ「チベット/ラサの入境許可証取得方法と旅行の注意点」の続き。無事入境許可証を成都のホテルで入手したら、あとはフライトでラサまで行くだけだ。

高山病にご用心

ラサの標高は3,650m。富士山の標高は3,776mなので、ほぼ同じだ。これだけ高地に来たのは南米以来だ。具体的にはボリビアのラパス「ボリビアでのラパス街歩きとウユニ塩湖観光」と、ペルーのマチュピチュ「マチュピチュへの旅、格安ツアーの罠」である。特にラパス(正確に言うと空港のあるエルアルト)は世界で一番標高が高いところにある都市である。

ラパスもマチュピチュもラサも、高山病になる人が結構いる。高山病対策としては何度か書いている様に、ダイアモックスを飲むのが一番良い。ダイアモックスはジェネリック含めはネットで個人輸入の形で買える。ただ、ダイアモックスは頻尿になりやすいのが困る。

あと大事なのは深呼吸。体内の酸素を入れ替えないといけないので、空港に着いたら空気の吸込1:吐出2の割合でゆっくりと深呼吸を繰り返すのが良い。行動をゆっくりするのも大事。上記を実践すれば高山病にはならないはず!

中国政府との対立

ジョカン(大昭寺)の周りではチベット各地から巡礼者が来ており、五体投地しながら少しずつ前に進んでいた。ちなみに体を投げ出す前にまずは祈りのポーズをとる。 その後道に倒れ込むのだが、着の身着のままで倒れ込むと痛いので、手には鍋つかみみたいな分厚い手袋をして、膝にはサポーターを付けている人が多い。チベットではチベット仏教が心の拠り所になっている。人々の顔を見ても中国の大多数を占める漢民族とは違うなと感じさせる。

現在のチベット仏教の頂点に立つダライ・ラマ14世はラサには居ない。チベット亡命政府という形でインド北部のダラムサラにいるのだ。2018年1月にインドのブッダガヤに行った時にはダライ・ラマが説法を行っていた。「インド②ヒンドゥー教の聖地バラナシと、仏教の聖地ブッダガヤ」参照。ブッダガヤはゴータマシッダールタ(ブッダ)が悟りを開いた場所である。

なぜ中国政府はチベットに固執するのか。それはチベットに眠ると言われている鉱物資源が理由と言われている。また、チベットの独立を認めてしまうとウイグルを始めとした他地域の独立運動を加速させてしまうからだろう。

そんな中国政府/ラサ市内を闊歩する中国人民解放軍に対してチベット人はいいイメージを持っていない。

チベット仏教の寺院と問答修行

チベット仏教の寺院としてはセラ・ゴンパ、デプン・ゴンパ、ジョカンに行った。羊のバターで作ったお供え物がいたるところにあり、羊バターの匂いが充満している。僕は羊肉は苦手なのでちょっと厳しかった。セラ・ゴンパでは若いチベット仏教の修行僧達が問答修行を繰り広げていた。

写真の左端の立っている僧が質問を言いながら手を打ち鳴らし、座っている僧が答えると言う形式だ。知識を問うと言うより、チベット仏教の有り方はどうだ、どうやって考えを深めるべきか、みたいなことを話しているらしい。毎日これやってたら確かに考える力は鍛えられそう。ソクラテスの頃から対話の有効性は変わらないね。

しかし中にはふざけている僧はいないのか?今日はソードアートオンラインのアスナについて語ろうぜ!夕飯の献立はどーする?みたいな。あれだけ真剣に叫んで話していたら隣が話していることは分からないはずだ。そんな遊び心のある修行僧がいてもいい気がする、なんてことを僕は考えていた。そんなことを考えている時点で僧にはなれないかも知れない。

ヤムドゥク湖への旅路


ラサ市内だけじゃなくて郊外も行ってみたい!ということで車で4時間くらいかけてヤムドゥク湖へ。ここは4,400mという恐ろしいところにある。僕はこんなに高いところに行ったのは初めてだった。標高もそうなのだが、何より嫌だったのは肌荒れ。肌荒れ肌荒れうるさいというかも知れないが、チベットは乾燥しているし紫外線も強いしで、本当に困った。

ヤムドゥク湖の澄んでいる青は美しかった。真ん中らへんの濃い青は雲の影である。僕はイブクラインのインターナショナルクラインブルーのことを思い出していた。

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