北京の大気汚染とEV化とスタートアップ

北京と言えば空気が汚い、、、ということでびびっていた。行ったのは初めてではないけれども。

着いてみると、白いたんぽぽの綿毛のようなものがふわふわと街中を漂っている。イメージとしては、ファイナルファンタジー8のラストバトル、アルティミシア最終形態登場前に黒い背景の中、白いふわふわが浮遊している感じ・・・。The Extremeは名曲だと思う。

しかしこのふわふわ、たんぽぽでもなく、FF8も関係なく、実際は柳の綿毛であった。中国では成長が速いという理由で1990年代から柳を大量に植えたらしい。そしたら柳の綿毛が街中で爆発的に舞うように。アレルギーになる人も多いとのこと。これは日本と一緒で、杉やヒノキは成長が速いという理由で大量に植えられた。そしたら花粉症大問題!である。

生態系って難しいな。便利だから、人間にとって有用だからと偏らせると、問題が生じる。これは競馬のサラブレッドも同様。優秀過ぎるが故に血統が偏るとその血統が飽和状態になり、交配相手がいなくなり、結果として衰退する、、、ということが起きる。19世紀末に英国で産まれたセントサイモンが有名。組織も一緒で、同質的な人ばかりの組織は外部の環境変化に弱い。柔軟で永続的に育っていく組織には多様性が大事なのだ。

白い柳の綿毛に辟易していたからか、空気の悪さはそこまで気にならなかった。アフリカやインドのほうがひどい。北京は曜日毎にナンバープレートの番号で車の流入を規制している。しかしEVは例外でいつでも走れる。中国の友達がホテルまでテスラで迎えに来てくれたけど、この規制が理由とのこと。

避けられないEV化という流れ

日本の自動車会社・自動車部品会社に関わっている人と話すと、EV化には時間がかかるという見立てが多い。しかしこれは危険な勘違いだと僕は思う。EV化が進む理由は3つある。①二酸化炭素減少により地球温暖化をくい止める、②大気汚染を抑制する、③EVに変わるタイミングで自動車産業の主導権を握ろうという中国やその他企業の思惑、である。僕は前も書いた様に地球温暖化の問題?というのはただの気候変動であり、問題だとは思っていない。だが、新興国に行って分かったことがある。②大気汚染というのは極めて深刻なのだ。アフリカは空気が悪かった。インドも空気が悪かった。中国の地方都市も空気が悪かった。これは自動車の排気ガスが原因。規制が厳しい日本だとあまり感じないけれど、新興国では強く実感出来る。

そして③中国の思惑も日本では過小評価されている。これは危険な徴候で、残念ながら中国は本気である。うかうかしていると、電機業界における日本のセットメーカー(消費者向け最終製品を作っているメーカー)と同じ結末になってしまう。。。

北京のスタートアップ

日本では中国のスタートアップ聖地というと深圳が注目されているが、実際行ってみると北京の方が活発と感じた。深圳に行った時のブログ「深圳。全ては模倣(コピー)から始まる」で書いた様に、電気街のビル上層はシャッター街になっているところも多い。

大きく分けると深圳はハードウェア、北京はソフトウェアと言われているのだが、北京には何でもあると感じた。やはり中国では巨大な資金の出所が国、という点が重要。そしてこの北京では文系のトップたる北京大学も、理系のトップたる清華大学も、巨大なファンドを持っている。あとは国有企業(鉄鋼だったり、インフラだったり)がスタートアップのインキュベーション施設を作ったり、ファンド作ったり。なんでもありだ。北京の北西部、北京大学と清華大学近くの中関村には100近いインキュベーション施設がある。あとは投資家がカフェ運営したり、投資家が集まってくるカフェがあったり。交流活発!

なお「中国の自転車シェアリング」で書いた様に、VCは2016年のビジネスモデル頼みのシェアリングで戦争で痛い目をみたため、いまはテクノロジーがないと金が出てこない。

北京のお散歩

北京は現在の中国の首都だけあって広大で見どころたくさん。故宮のお宝は蔣介石が台湾に持って行ってしまったとは言え、建物自体は素晴らしい。そしてずっと行ってみたかった万里の長城。いくつか行けるポイントがあるのだが、僕は慕田峪長城に行った。理由は滑り台があるから。滑り台大好き。ミシェルオバマも滑ったらしい。

あと行ってみて面白かったのは牛街。イスラム教徒が多く住んでいる地域で、緑色の看板の店が多い。後に西方のウルムチに行った時に牛街と同じだ!と思った。肉のクオリティが高いので漢族も良く買いに来るとのこと。

北京は道が広く、自転車で走りやすかった。もちろん自転車シェアリングフル活用。滞在中に三回も北京ダックを食べてしまった。。ちなみに日本だと皮のみで肉がないのが本場の北京ダックだとされているが、北京だと肉がついていることも多かった。

北京で会った中国人の友達は子供が二人いた。一人っ子政策の時代だったので、2人目を香港で産んだとのこと。宗教は信じていない。でも、儒教と道教の影響は受けている。中国人は前向きで、政治体制にそんなに不満を持っておらず、未来は明るいと思っている。そして教育には異常な情熱でお金を投下する。小学校三年生で学校が終わった後、学童で夜10時まで勉強。

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コメント

  1. APS より:

    eleさん、

    コンテンツの面白さと考察の深さが圧倒的で読んでいてすごく楽しかったです。偶然検索でこのブログを発見し、初めの記事から全て読ませていただいてやっとこの記事まで追いつきました。こんなに秀逸な記事が無料で読めるなんて最高な時代ですね笑

    私は写真が趣味で、かつてのバックパッカー時代に観光サイトを作って今も運営しています。各国のマクロ経済や政治、歴史などを考察するのも好きなのですが、非常にニッチな分野のためサイトのコンテンツにするのを見送ってきました。もしよろしければ実際のアクセス数などを教えていただけないでしょうか?(多い、少ないなど抽象的で構いません) この分野の先駆者としての知見に凄く興味があります。読者とあーだこーだと議論できるサイトができたら楽しいだろうなぁと思うのですが、現実世界で投資の話ができる人と会った事がほぼないので・・・笑

    もう世界一周を終えてブログの更新頻度が少なくなるかもしれませんが、更新を楽しみにしています!!

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    • ele より:

      APSさん、はじめまして。コメントありがとうございます!全部読んで頂いてありがたい限りです。そうなんですね、各国の経済、歴史、政治、に興味があられるというのは全く一緒ですね。
      アクセス数については別途メールさせて頂きます。そしてご推察のとおり現在は日本におりますが、中国編はまだ書いていない地域があるので、完遂しなければ、、、と思っているところです。

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