脳の研究と使い方の試行錯誤

前回の投稿「文系と理系の狭間で泳ぐ投資家」でも書いたが、筑駒の同級生がボストンのMITとハーバードで脳の研究をしているので会いに行った。

MITにいる友達はマウスを使って様々な実験をやっていた。脳のどの部分が動いているのかをマウスの脳を極薄にスライスして見ていた。他のマウスに対する記憶と、外部刺激(快楽または恐怖)を組み合わせて、他マウスへの感情を操作出来るらしい。

ラボのトップは1987年にノーベル賞を受けた利根川先生。ラボのメンバーに対するプレッシャーは結構あるらしい。ノーベル賞とるには、良い意味でも悪い意味でも歪みがないと無理だと思うが、まさにそんな感じとのこと。

ハーバードにいる友達はマウスを使って学習させて正解を選ばせる実験をやっていた。良く訓練されたマウスでの正答率は90%以上。正答率はマウスが疲れると下がる。ちなみに正解するとミルクがもらえる。なおマウスは白黒しか見えない世界で生きてる・・・!

マウスの意思決定において、統計における検定と似た動きを脳がやっているとのこと。脳に情報が蓄積され、神経活動が閾値に達すると判断がなされる。そして閾値はマウスによって違う。

なお最近では、生物や脳の分野でも研究仮説を完全に決め打ちせずに、マシンラーニングで膨大なデータを解析する様な研究がサイエンスやネイチャーでももてはやされているとのこと。でも、それで有為な結果が出ているかは疑問らしい。

これは金融の分野でもままある話。既に分かっていること、自明なことを何でもかんでも網羅的に調べましたよ〜という様な研究は意味がないと僕は思う。感覚や経験と反することは意味があるが。

現在のAIは人間を置換出来るか

以前「AI、AR、VRとソードアートオンライン劇場版」で書いた様に現在のAIが人間の仕事をほとんど奪うという話には僕は懐疑的である。囲碁でプログラムに人間が勝てないからと言って悲観する必要はない。そもそも僕らは計算能力で言えば8桁の電卓にすら勝てない。

不要になる仕事はあるかも知れないが、そんなことは技術革新が起きた時に何度も起きて来たことである。

昔々、文字が開発された時に、歴史の語り部をやっていた人が不要になった。

また、産業革命が起きた時に沢山の労働者の仕事がなくなった。でも、余暇の時間は増え、新たな仕事は作られた。

なぜ僕が現在のAIが人間を置換出来ないと考えているかというと、脳の活動が解明されていないからだ。

特に、感情や意識を司る部分はまだまだ分からないことだらけ。

脳とAI、CPUは現在違う方向にいっている。現在のAIは人間の脳の模倣ではないことをやっている。少なくとも感情はない。また嘘に弱いという欠陥がある。

僕らは技術に短期では期待しすぎ、長期では過小評価しやすい。僕は脳の専門家ではないけど、興味は結構ある。そして日本ではお金が付き難い。結果として若者はUSに行ってしまう。使える金がたくさんあって、若くして評価されるからだ。
僕は脳の構造、そして脳のアップロードに興味があるのでそういうことにお金を出せる様になりたい。

脳の使い方の試行錯誤

少し話は変わるが、僕はうまく脳を使えないかなーと色々試して来た。

まず、同時に2つ以上のことを考える訓練。聴覚と視覚を切り分けるのが良い。歌詞が入っている音楽を聞きながら本を読む、そして歌詞を理解しつつ本の内容を理解するのである。そのうちに頭の中に複数の線が走る様になる。複数の線を同時に動かしたり止めたりして、走らせながら物事を考えるのである。

これは結構役に立つ。投資や経営について考える時は、考慮すべき要素が多いからだ。例えば個別企業への投資だったら、BS見て、PL見て、マネジメントどうするか考えて、設備投資考えて、マクロ状況見て、競合状況見て、、、色々ある。さらに投資だったら、全然違う業界における案件AとBを同時に考えないといけない時もある。

視覚と聴覚を切り分けるところから始めるのは僕のオリジナルかと勘違いしていたが、研究は既になされているとのこと、、、残念。

記憶力については前に書いた通り。

僕は小学校の時から写真記憶を意識していました。テキストやプリントを見て、意味は把握せず、ただ目に映るものを画像のまま覚えるのです。それをテストで再現するということです。すごい人はランダムなトランプ54枚を連続で見て順番を全て覚えられる様ですが、そこまで出来なくても写真記憶は少しでも使えると便利な技術だと思います。

あとは、左手と右手を同時に使って、二倍の速度で紙に文字を書くというのをやりたかった。長い文章を書く際に、右手で一行目を書いて、左手で二行目を書くということである。その後右手で三行目を書いて、左手で四行目を書く。

これが出来たらすごい効率アップと思った。そのためにまず、左手で文字を書ける様に練習した。はじめはごはんからスタート。スプーン→フォーク→おはし→ボールペン。

結果どうなったか。

左手で文字を書くところまでは出来た。しかし、左右両手で同時に文章を書くことはどうしても出来なかった。無念、、、誰か出来た人は教えて下さい。

同じことばかり言い続けることの効用

人間は直近の情報にバイアスがかかる。これは過去の話よりも直近の話の方が有用だから重み付けが違うということになるらしい。

また、同じことばかり聞かされてると良い話の様に思えてくることが多い。これはすごく不思議で、僕がいた産業革新機構でも何度も同じ案件の話を聞かされていると、なんだか良い案件の様な気がしてくることがままあった。あまりにも駄目な案件はもちろんだめなままなのだが。

よって、僕は同じことを何度も言う様に気を付けていた。僕が同じことばかり言い出したら要注意である。

4+

いいね! or シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加