イラン入国において気をつけるポイント2つ
イラン入国とアライバルビザ取得は中々複雑だったので幾つか書いておこうかなと。入国にあたって気をつけないといけない点は二つ。①イスラエルスタンプ及び、②アメリカ入国ビザ、である。
①イスラエルに入国した痕跡をいかにして抹消するか
まず①イスラエルスタンプがあるとイランに入国出来ない可能性が高い。イランはイスラエルを非常に敵視しており、イランの地図にイスラエルは存在しない。パレスティナと書いてある。
イスラエルも色々な旅行者に「スタンプいらない!」と言われているのだろう。イスラエル入国時に空港で紙を一枚もらうだけで、入国時も出国時もパスポートにスタンプは押してこない。
イスラエルからヨルダンに陸路で行こうとすると起きる問題
僕は陸路は使っていないため分からないのだが、イスラエルからヨルダンに陸路で行こうと考えたことがあった。その時に問題になるのは、イスラエルで出国スタンプを押さなくても、ヨルダン側の国境でスタンプを押されるとイスラエルとの国境を陸路で越えたと分かってしまうことである!ヨルダン国境でスタンプ押さないでね~と言っても担当者がその通りにしてくれるかは分からない。気分次第だろう。
ちなみにイスラエル→ヨルダンの陸路はエルサレムから東に行った最短距離、キングフセイン橋だとヨルダン側でビザがでない。それを避けて国境でビザを取るためには北のシェイクフセイン国境を通らないといけない。またはかなり南のアカバ付近か。どっちもかなり回り道でめんどくさい!くわしくはヨルダン観光局サイト参照。
完璧なアリバイ工作
上記の理由により、僕はエルサレム→アンマンのフライトを選択。45分しか乗らないのに3万円、高いわ!そして空いてる。そりゃ陸路選ぶよな・・・。
実際はエチオピア→イスラエル→ヨルダンと移動したものの、パスポート上はエチオピア→ヨルダンと移動した様に見える。しかし目ざとい入国審査官はエチオピア出国→ヨルダン入国の移動が一週間と、時間かかり過ぎていることに気付くかも知れない。そこを問われた場合、日本に帰ってましたよっという説明にする。日本は指紋認証による自動化ゲートを通るので入出国時にスタンプは押されないよ、という情報も加える。
テヘランではなく、シラーズを選択
・・・と上記の通り入念に準備していったのだが、イランの入国審査官はあまりパスポートを見ていなかった気がする。テヘランではなく南のシラーズで入国したからかも知れないが。まぁ備えあれば憂い無しである。
イラン入国時に海外旅行保険に強制加入させられるという話も聞くが、英文保険証書を見せたら加入させられることはなかった。
ビザ代は$65。ユーロでも払える。
②イランのスタンプがあるとアメリカ入国出来ない
次の②アメリカビザ問題だが、イランの入国スタンプがあるとアメリカへの入国が難しくなる。イランスタンプがある状態でESTAを使って軽い気持ちで入国しようとすると、入国時に別室送りになるケースがあり、非常に時間がかかるらしい。
それを回避するためにはイラン入国前か後に、アメリカ大使館での面接を経て10年有効な観光ビザを取得する必要がある。うーん、面倒くさい・・・!
ので日本で本籍を変更後にパスポートを更新して、イランに行った痕跡を抹消するという技を使うことにする予定。
→(追記)実行した。その後問題なくアメリカ入国出来た。
クレジットカード、キャッシュカード使えず
アメリカによる経済制裁のため、米国系のキャッシュカード(VISA, Master, Amex)が使えない。そのため、ATMから現地通貨イランリアルを引き出すことが出来ない。
クレジットカードも勿論使えない。イランのホテルはウェブ予約は出来るものの、ウェブでのクレジットカード決済が出来ない。。。繰り返しになるが、VISA、Master等が使用不可のため。JCBどこ行った??おーい。
ドバイからドル持込で対処
現金を持ち込んで両替するしかない。最も流通している外貨はイランの敵国にも関わらず、泣く子も黙るUSD(アメリカドル)。
僕はイランにいく前にドバイにいた(「ドバイの七つ星ホテル、ブルジュアルアラブに泊まってみた」参照)ので、UAEの現地通貨ディルハムをドバイのATMで引き出した。そのディルハムを銀行でUSDに両替して、イランに持ち込んだのだ。
主な使い途はホテル代、飛行機代(イラン国内線及びイラン出国時)、タクシー代、食事代、観光地チケットである。
公式レートと民間レートの乖離
米ドルからイランリアルに両替が出来る場所は色々あるが、公式レートと民間レートのずれが著しい。これはインフレが激しい国だとよくある現象。公式レートだと1USD=32,500IRR(イランリアル)だが、街の中だと1USD=38,000~42,000IRRといった相場である。つまり、USDに比してイランリアルの価値が低いと思っている人が多い。
そうするとそのスプレッドで稼ぐべく、街中に両替商が増殖する。インフレが激しいアルゼンチンと一緒だ!「郷愁とデフォルトの国、アルゼンチンの経済。しかしチャンスあり?」参照。
またかなり謎なのが、一部のペルシア絨毯の店ではVISAやMasterを使えるよっと掲げていること。ペルシア絨毯の店に入るとぼったくられそうなので、詳細は分からなかったが。。。
読めない数字の罠
イランにおける数字は我々が普段使っているアラビア数字ではなく、ペルシア数字なので、読めない、、、現地の人はアラビア数字も読めるので、数字については電卓で会話することになる。
さらにややこしいのが、トマンという補助通貨単位の存在。1トマン=10リアルである。タクシーの値段交渉だと大体トマン。レストランの食事表記はトマンだったりリアルだったりするのでどっちなのか聞かないといけない。
そんなイランに滞在していた時の記事はこちら「イラン年越しのすすめ」
ニューヨークでユダヤ系イラン人医師に腎臓結石手術してもらったこともあったな・・・「海外旅行中の腎臓結石除去手術① ビジネスドクター登場」