ヒッピーの楽園、デンマークのクリスチャニア

クリスチャニアとは、デンマークの首都コペンハーゲンにあるヒッピーの楽園である。元々は軍のバラック小屋が多くあった場所で、軍が居なくなった後に1971年から人が住み始め、コミュニティが生まれた。そして当時のヒッピームーブメントも混ざり、独特の文化が形成されていった。現在の人口は約800人である。
 
(巨大なスケボーリンク)
 
今回はガイドツアーに参加し、その後でうろうろと中を歩いてみた。
上記サイトには一人40クローネと書いてあるが、実際は50クローネ(900円くらい)である。
 
 
クリスチャニアの中はスーパー等のお店あり、自転車屋あり、住居あり、子供を預けるところあり、と一つのコミュニティとして成り立っている。なお多くの住人はクリスチャニア外で働いている。
 
以前行った、ブラジルのファベーラに比べて治安は大分良い。まず、観光客の数が段違いである。ファベーラとの対比をすると色々興味深かった。

プッシャー通り

クリスチャニアを有名たらしめているのは、プッシャー通りと言われるドラッグを売っている場所があること。
プッシャー通りにおいてはマリファナとハシシはOKで、それ以外のハードドラッグは禁止である。ちなみにデンマークではドラッグは違法であるため、クリスチャニアでは公然と違法行為が行われていることになる。それ故、住人はプッシャー通りのことをCriminal districtと言っていた。
 
プッシャー通りという名前だが、実際は通り+広場である。通りの入口では、写真禁止!と言って睨みを利かせている男がいた。なおプッシャー通り以外は写真撮影は全部OK。
 
大体お店の数は20店舗くらいだろうか。売人はほぼ男性で若者から大人まで。お客は国籍様々、性別も男女共にいた。そしてお客は購入後、クリスチャニアの中で思い思いに薬物を堪能していた。
下記は広場でくつろぐ人々の図。日向ぼっこかと思いきやマリファナぼっこである。
 
 
僕は以前「美肌活動、ブエノスアイレスのgreen eat」で書いた様に150歳まで生きようと思っているので薬物に全く興味がない。というか忌避している。。
 
売人によるとお店のハシシはモロッコ産、マリファナはデンマーク産らしい。違法な中、こんなにも大っぴらに売っている場所は初めて見た。
そして彼らはこのプッシャー通りの存在を2ndワーストソリューションと呼んでいた。では1stは何なのか??
 
・・・警察である・・・
 
警察とクリスチャニアの関係は良くない。警察はちょいちょいクリスチャニアにガサ入れに来る。その度に衝突が起きている。
 
 
クリスチャニアでは幾つかの決まりがある。ハードドラッグ禁止、暴力禁止、武器禁止、、、等である。
以前に書いたブラジルのファベーラに似ている。僕が訪問したファベーラ、ホッシーニャの掟は、
強盗禁止。レイプ禁止。殺人禁止。ドラッグとアルコール中毒者はみんなから見えないところで嗜め。
であった。
しかしファベーラとクリスチャニアで決定的に違う点がある。ファベーラは貧しい人が集まる地域である。一方でクリスチャニアはぼちぼちお金を持っている人がヒッピーを志している地域である。 

直接民主主義

クリスチャニアでは古代ギリシャと同じく直接民主主義を採用している。クリスチャニアの人は、古代ギリシャと違って女の人も参加できるのでこちらの方がすごいと自慢していた。
 
彼らは何もかも話し合いで決めている。そして51:49の多数決では決まらない。80:20で賛成が多くても話し合いを続ける。90:10くらいになったら、まぁこれでいきましょか、となるらしい。時間かかるでしょ?と聞いたところ、俺たちは時間がある、それよりもみんなが納得することが大事だ、がはははと言われてしまった。
 
 
しかし自由だけれども、実はクリスチャニアのコミュニティに入るためには住民の許可がいる。勝手に家を建てることは出来ない。自由を志向しているものの、外の人にとっては自由ではない。矛盾がある。
 
そして、これはどのコミュニティでも起こりうることである。完全な自由というのは難しい。僕らはその中で妥協点を見つけていかないといけない。
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