何でも図解しようという考えは間違っていると僕は思う。前に「脳の研究と使い方の試行錯誤」でも書いたが、僕はどうすれば脳をうまく使えるか色々試している。
ミーティングでホワイトボードに色々書きたがる人は結構多い。特にコンサル出身の人にその傾向が強い気がする。勿論、初めての人に複雑な話を説明しようとする時に、ホワイトボードに書いてみんなで共通認識を作ろうというのは有益だと考える。
一方で何でも書かないと分からなくなるというのは危険だと僕は思う。図で理解するというのは脳にとって負荷が少なく、楽だからだ。これに慣れると、抽象的なことや複雑なことを考える煩わしさを避ける様になる。
考える力を鍛えるためには、図示したり、紙に書いたり、ホワイトボードに書いたりすることを止めた方がいい。特に一人で何かを考える際には、出来るだけ自分の頭の中で完結させるべき。
例えば仕事だったら、ある会社を買収する際のストラクチャーを紙に書かずに自分で考えてみたり、株式譲渡契約の条項で何が必要か考えてみたり。普段の生活だったら、メモを使わずに一週間の予定と献立を思い出して今日の夕飯は何を食べるべきで、スーパーで何を買わないといけないか考えてみたり。
ノーベル賞受賞者の利根川先生も僕の友達に「ホワイトボードを使わずに俺の脳に直接語りかけろ」と言っていたらしい。これを聞いて同じだ!と思った。やはり自分の頭を使わないといけない。
パワーポイントやキーノートに代表されるプレゼンテーション資料も気を付けた方がいいなと思う。アマゾンのジェフベゾスも以前述べていたが、図示するまたはブレットポイントで書き表すのは楽であり、プレゼンを受けた側も何となく分かった気になってしまう。これは危険である。
一方で文章にすると粗が目立つので、頭が整理されていないと書けない。ブログを書いてみると直ぐ分かる。ちなみにベゾスはDEショー出身なのでヘッジファンドっぽいアプローチだなと僕は思う。PEははっきり言って無駄なプレゼンテーション資料を作りすぎである。もっと早く家に帰れる。