インド④インド経済にはチャンスしか感じない

経済的にはインドには可能性をものすごく感じた。大きく理由は4つあり、①人口が多く、これからも増える。②インフレが抑制出来ている。③寒暖の差がある。④モディ首相のリーダーシップ。である。

①人口が多い。については言うまでもないだろう。現在13億人の人口は未だに増えており、近い将来中国を抜き去り、2040年には16億人に達する見込となっている。

そして②インフレ抑制。は驚いた。インドは物価が安い。今まで旅して来た国でもかなり低いうちに入る。インフレは2014年から4-6%程度で推移している。中銀がきちんと機能しているのだ。これは僕が南米で一押しのアルゼンチンよりも優れている点。ちなみに2017年に世界で最も株が上がったのはアルゼンチンであった。やはり僕の目は間違っていなかった。

③インドには寒暖の差がある。以前デリーやブッダガヤの稿で書いた様に、インドの気候はホット、ホッター、ホッテストしかないというジョークがあるのだが、全然そんなことがない。僕は1月にデリー、バラナシ、ブッダガヤ、コルカタに行ったが、どこも夜は寒かった。特にブッダガヤは寒くて少し風邪気味になった。そして何度か書いている様に暖かい国は働かないので、寒暖の差があるというのは経済発展にプラスだ。

最後④だが、モディ首相は貧しい家の出身でお母さんは皿洗いで家を支えていたらしい。ここが有権者の多くを占める低所得者層からの高い支持率に繋がっている。そして経済運営もうまくいっているので、高所得者からの支持もある。そしてどちらかというと変化を望む若者に人気があるらしい。

2016年11月の突然の高額紙幣廃止は世界を驚かせた。最も驚いたのはインド人だと思うけど。現金での賄賂及びタンス預金対策は功を奏している。一方で現金決済偏重だった業種では業績が苦しいところもある様だが、一時的なものだろう。

そして税制改革。州毎に違ったGST（日本でいう消費税に相当）の統一化したのである。同様に州毎の税制が複雑過ぎて訳分からんブラジルとは違いを見せつけた。

勿論問題もある。貧富の差が激しい、汚職が多い・・・。だが、それを上回る魅力がある。

ただ、現在の株価は高値圏だと思われる。というより、僕は世界中の株価が高いと考えている。そして近い将来起きるだろうAIショック（クオンツショック、「2017-18年に来るかも知れないAIショック」参照）。

中国の進出とソフトバンクの評価

アフリカ同様、インドに中国は大量に進出している。インドは中国と国境紛争を抱えていてロシアと親しい、、、ということに各種報道ではなっているが、ビジネス上は全然関係ない。

港湾や空港といったインフラ建築は中国がやっていることが多いし、スマホは中華系ばかり。日本企業で存在感があるのは車のマルチスズキとOLA（配車）、Snapdeal、Flipkart（以上EC）、Paytm（決済）と見境なく投資しているソフトバンクくらいだろう。

インドでのソフトバンクの評価を何人かに聞いてみると、高値掴みし過ぎ、、とのことであった。実際、OLAとSnapdealは合わせて1,500億円相当の減損を行っている。ちなみに米系メディアはソフトバンク借金多すぎ、高値掴みしすぎ、とよく叩いている。

一方で中国勢の見方は違う。中国においてはアリババは神の会社であり、その筆頭株主たるソフトバンクも神の会社！という扱い。そしてソフトバンクは借金多くクレジットが良くないのだが、中国企業に比べるとそうでもないらしい。

最終的に正しいのは中国投資家か、それとも日本米国インドか？現時点では分からないが、ちょっと高値掴みしてませんか、、、と気になっている。レイターステージ中心とは言え、ベンチャー投資はレバレッジひいてやるものではないと思う。

投資対象として日本でのイメージが悪いインド

インドは期待できる国だと思うが、投資対象としては日本でのイメージが悪い。第一三共によるランバクシーの買収と、ドコモによるタタテレコムの出資のせいだろう。どちらも巨額の減損を行っている。またランバクシーのケースでも問題になったのだが、PUT（株を強制的に買わせる権利）が法律上有効か疑義があるとのこと。

とは言え日本企業でもインド案件を検討するケースは勿論多いのだが、担当者が赴任したくない、、、という理由でディールが土壇場でなくなることが多々ある。勿体ない・・・。

インドで優良企業が借入起こそうとした場合、金利は10%くらい。

またインド人は新卒は日本よりいけてるらしい。しかし年初にやるべきことをコミットさせられる。そしてコミットしたことしかやらない。。。