以前の記事「郷愁とデフォルトの国、アルゼンチンのマクロ経済。しかしチャンスあり?」でも書いたが、日本以外の国は多かれ少なかれインフレーション、インフレ(物価上昇)が起きている。例えばアルゼンチンでは、、、
インフレは2016年も40%とひどく、あまりものの価格を気にしていないとのこと。なぜなら価格が日々変動しているから。
日本はデフレなんでしょ?なにそれ想像つかない!とアルゼンチン人に言われてしまった。
という状況である。
そんな中、日銀はインフレを起こそうとして金融緩和を続けているが、中々目標の物価2%上昇にならない。もはや金融理論では説明し難い領域である。これだけ中央銀行から資金供給があれば、インフレは起きるはずだし、通貨価値はもっと目減りするはずである。ところがインフレが起きない。日銀の黒田さんの目論みは残念ながら外れている。ちなみに黒田さんは中高の遠い先輩にあたるが、僕は会ったことは無い。
なぜインフレが起きないのかというと、日本人のマインドの問題であろう。まずマクロだけ考えると悲観的にならざるを得ない。理由は①人口減少、②膨大な国の債務、である。①と②は連環している。①人口減少が起きるので、②膨大な国の債務が減らずにむしろ増える、と思われている。
旅行していて思うのは、日本人は過度に日本の将来に悲観的で、外国人投資家も日本の将来に悲観的であるということ。だが、日本以外の国も高齢化や国の債務増加に悩みを持っている。
そして日本は安全で清潔でうらやましいと良く言われる。どこの国もいい点、悪い点があるのである。
21世紀は中国の世紀になりそうだが、中国人は国を脱出したがっている。国によって私有財産が抑えられるかも知れないと思っているからである。加えて色々な自由が無い。アメリカ人も悩んでいる。危ない地域がある、街が汚い、医療費高過ぎ、トランプわけ分からん、等である。
ということでどの国も悩みを持っており、その中で過度に日本だけが悲観的な印象がある。正直、日本人はもっとポジティブに考えた方がいい。「ラテンアメリカまとめ」で書いたが、日本は天然資源が無いのに産業がある。これはもっと活用出来る。そして企業にも家計にも現金がある。現金を溜め込まずに投資に回して有効に使うべきと僕は考える。
将来に悲観的だから企業も個人も現金を溜込む方向に行きやすい。この負の流れを断ち切るにはどうすればいいのか??
僕は現時点では最低賃金を徐々に上げるしかないと思っている。ラテンアメリカ及びUSを色々見た結果、賃金が上がる→消費拡大(企業の業績も向上)→物価上昇=インフレという流れが多くの国及び地域で起きていた。アルゼンチンでも、ブラジルでも、カリフォルニアでも同じである。今日よりも明日が良くなるとみんなが信じないと消費は喚起されない。
ヨーロッパ・アフリカはまだ行っていないので最終結論には至って居ない。今後自分の考えが変わるのか、変わらないのか、楽しみにしている。