タンザニアは、1961年にUKから独立した大陸側のタンガニーカと1963年に同じくUKから独立した島嶼部のザンジバルが1964年に一緒になった国家である。タンガニーカ+ザンジバル+アカシア文化(この地に根付いている文化)=タンザニア。
アフリカの経済成長における問題点
アフリカはポテンシャルあるある言われていて、なぜ中々経済成長しないのか??幾つか理由があるが、僕は以下が重要ではないかと考えている。
①国内に対立している民族がいる
②暖かくて働かなくても死なない
③汚職・賄賂が多い
まず①だが、これはアフリカが20世紀後半までヨーロッパにより支配されたことと関係している。ヨーロッパが勝手にこれが国境だ!と線を引いたから民族と国境がごちゃごちゃになった。以前クロアチアで書いた様に民族と言語は紐づいており、言語が違うと隣人の言っていることが分からずなんなのあいつ?となりやすい。
また旧宗主国は白人が居る場合は白人を、居ない場合は特定の民族を優遇して国を支配させたので、人種間・民族間の対立が深まった。そして一番酷い形で殺戮が起きてしまったのがルワンダである。
②については何度も書いている通り、アフリカは赤道を中心に北から南まで緯度35度あたりに位置しており、寒くならず働かなくても死なない。
③は言わずもがな。ルワンダ除くアフリカのどこの国に行ってもこの話が出て来る。
国連事務局の作業言語は英語とフランス語だが、これはアフリカにフランス語の国が多いことが原因。しかしアフリカは幾ら人と金を突っ込んでも中々良くならないので国連の中でもどうすんのよこれ?という議論があるらしい。。。
タンザニアのポジティブな点
そんな中、僕はタンザニアは面白い国なのではと思っている。その理由は問題点①国内に対立している民族がいる、がほぼないからである。
国語としてスワヒリ語を採用しており、国民統合に役立っている。自国の言語があるので、自国の文化がある。
日本でも日本語止めて英語に置き換えた方がいいのではという極端な議論を聞くことがあるが、文化を破壊する行為だと思う。それはアフリカを見ていれば分かる。
経済発展における、海に面していることの重要性
加えてタンザニアには海がある。海があるというのは国が発展する上で極めて重要。
地理と政治と軍事等を含め国家同士の争いを分析する学問を地政学というが、海(港)を求めて戦争はいつも起きている。最近だとロシアのクリミア侵攻。ロシアはとにかく南への出口が欲しいのである。
なぜ港が重要か?貿易では海運がないとものを運べないからだ。空輸は運べる量が少なく、コストがかかり過ぎる。世界の一人当たりGDPランキングを見れば分かるが、スイス、ルクセンブルク、サンマリノといった人口が少ない国を除き、50位以内に海に接していない国は存在しない。僕は海に接していない国が爆発的に成長するのは難しいと考えている。
タンザニアのダルエスサラームはケニアのモンバサと東アフリカの港no1の座を争っている。
勿論タンザニアに問題はあり、前述の問題点②暖かくて働かなくても死なない、は顕著な点である。あるタンザニア人は、タンザニア人にはビジョンがない!直ぐ小銭稼ぎに走る!と言って嘆いていた。
加えて問題点③の腐敗問題は深刻。予算の1/3が不正使用されたという調査報告もあるほど。タンザニアは近隣のケニア、ウガンダ、ブルンジよりは腐敗度でましらしいが。。。
教育もまだまだ改善すべき点はある。スワヒリ語は初等教育のみであり、中等教育以降は英語。また初等教育は無料と言いつつ、実際は授業料のみで10時の朝ごはん、お昼、教材等は自己負担。国が払ってくれるのは大体30%という計算になる。ちゃんとした教育を受けていれば子供は3-4人。受けていないと10人はざららしい。
国内就業の7割が農業で小作農が多い。コーヒー価格の影響が大きい。
そしてGDPは2000年以降で年率5-8%成長しているものの、通貨は下落傾向。つまり、インフレも深刻。金利も高く、銀行から借りるときの金利は5年で20%!日本の1%とは全然違いますな。日本では借金しないと勿体無い。
携帯電話は香港のTecnoかSamsung。iphoneはほぼいない。なんでもApple製品は日本の二倍くらいの価格になるらしい。
ポレポレとハクナマタタ
最後に一つ。スワヒリ語のポレポレ(ゆっくりゆっくり~)とハクナマタタ(心配すんな~)は経済成長したいならば禁止した方がいいと僕は思う。
この国では、何もかも遅い。
例えばホテルで夕飯を頼む。45分後に来てねと言われて行ってみると全く出来ていない。そこから30分待たされる。45分とは何だったのか。
朝7時の約束で、こちらは早起きしたにも関わらずいきなり30分遅れ。
そんな中で、ハクナマタタ~ポレポレ~と言われても困っちゃうよ・・・