なぜ投資ファンドを辞めて世界一周の旅に行ったのか

事件は現場で起きている

僕は元々買収ファンド(プライベートエクイティファンド)で7年強、働いていた。その中で50%以上のマジョリティを取っての業界再編と国内外同業他社のロールアップ、国内上場企業へのPIPEs、国内ベンチャー投資、海外スタートアップ投資、日本企業との海外共同買収等・・・に関わった。
投資実行からExitまで何件も経験し、大きなリターンも実現したが、その中で感じたのはまだまだ自分には知らないことが多いなということ。

特にマジョリティを取っての投資となると、投資家という立場に加え、経営の視点を持って事業をどう伸ばすか・・・ということが極めて重要だった。その時感じたのは、(詳しくはいずれ書くけれど)現場を理解していないと誤った判断をしてしまうということだ。
投資家は財務諸表を読んでマネジメントと会っただけで会社を理解したと勘違いしがちだけど、事業は現場で回っており、事件は現場で起きている。

マクロ経済を理解すること

僕は、事件は現場で起きているという心構えを常に持つことは、事業会社への株式投資のみならず、株価指数・為替・商品(コモディティ)と言ったマクロ投資でも一緒だと考えている。投資家としては個人アカウントでマクロ投資にそこそこの規模で取り組み、常に世界中の出来事にアンテナを張ってきた。

投資の際、経済指標・チャート等は大いに参考にするけれども、実際の経済の現場を見ることでマクロ投資の精度が格段に上がったと考えている。これは僕だけではなく、過去の素晴らしい投資家も痛い程述べているだ。

買収ファンド勤務の人はあまりマクロを意識していないが、実際にはビンテージ(ファンドが設定された年)がリターンに大きな影響を及ぼすという事実がある。
更には投資家だけでなく事業会社の観点からも、今日のグローバルな競争環境においてマクロの影響をどうヘッジするか、味方につけるかというのは重要である。為替や、原油に代表されるコモディティの価格変動が業績に及ぼす影響は甚大であるにも関わらず、多くの企業ではその動きをヘッジする、味方につけるという視点が欠けているのではないか。
僕は、マクロ経済を自分の目と足で理解したいと考えている。

人と違うことをしないといけない

買収ファンドにいた時は、東大の元総長、意気盛んなスタートアップの経営者、国内外大企業のトップ、素晴らしい実績を持った投資家等、様々な方のお話を拝聴することが出来た。その中で自分はどうすべきか考えた結果、僕は旅に出て投資家として、世界中を自分の目で見てくることにしたのだ。なぜなら、ある程度キャリアを築いた人で世界一周に出かけるという例はあまりないからだ。

人がやらないことをやるのは意味がある、そして誰かがやっていることをやるのは意味がない。

世界中のスーパーマーケット、農村地帯、モール、都市に行くことを考えるとわくわくする。そして投資家、事業会社の現場及びマネジメントの方、弁護士・会計士・コンサル・投資銀行といったプロフェッショナル、お店の方、町又は農村で会う方・・・にお会いするのが楽しみだ。

旅行を楽しむ要素

とは言え常にストイックに行くのではなく、観光も合わせてして来ようと思っている。一粒で二度おいしいとはこのこと。

僕は旅行を楽しむ要素は3つあると思っている。①時間、②お金、③体力だ。学生は①時間③体力はあるが、②お金がない。一方でシニアになると、①時間②お金はあるけれども、③体力に不安が残る。僕らの世代は②お金③体力はあるけれども、①時間がない。そうすると仕事を辞めるのが一番だ。

今まで旅行・出張で30カ国弱は行ったことがあるけれども、今回は一年強を投じるので、普段訪問することが難しい国にも行ってみたいと思う。見たことのない景色を見て、歩いたことのない場所に行くのが楽しみだ。
また折角なので②お金は先行投資と考え、出し惜しみしないでいきたいと考えている。投資家なので浪費するつもりは全くないけれども。

新たな地平線

期間としては一年強を考えている。2016年12月から、2018年3月頃までだろうか。その後どうするのか、構想は考えているけれども確定はしていない。
自分の考えがどう変わるか楽しみだ。Sound Horizonっぽく言うと、新たな地平線が見えてくることにわくわくしている・・・!

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