ジンバブエのヴィクトリアフォールズにはマダガスカルに行った後にヨハネスブルク経由で到着。
世界三大瀑布
ヴィクトリアフォールズは世界三大瀑布のうちの一つ。僕はイグアスの滝に2回、ナイアガラの滝には1回行ったことがあるので、ここはどうしても行ってみたかった。
ヴィクトリアフォールズにはジンバブエ側(ヴィクトリアフォールズの町)とザンビア側(リビングストンの町)両方ある。アマゾンの滝にブラジル側とアルゼンチン側がある様なものである。
さて、ヴィクトリアフォールズではどっち側に行くべきなのか??色々調べた結果、滝を楽しむならジンバブエ側!ということに決定。加えて直近ザンビア側に行った人から乾期だとちょろちょろとしか水が見えないという情報もあったので。ちなみにザンビア側にはデビルズプールという滝の真上で天然プールに入れるスポットがある。僕は興味ないが。。。
さてヴィクトリアフォールズは世界三大瀑布の中で落差が一番大きい。ただ乾期はちょっと水量が少ないねー。
(虹が綺麗!)
ちょろちょろとまでは言わないが。行くならむしむしするけど雨期がよろしいかも。
ハイパーインフレ
ジンバブエと言えばハイパーインフレで有名。2008年のインフレ率は恐ろしいことに2億%(200万倍)を超えていた。そして正確な統計はない。なぜなら途中で当局がインフレ率を計算するのをやめてしまったのだ。色々と意味が分からない。
最終的なジンバブエドル廃止時には3.5京(いまいち実感が湧かない・・・)ジンバブエドルと1USドルを交換することになった。
今はジンバブエドルは使えないので、至る所で観光客に売りつけようとしてくる。記念?としてヴィクトリアフォールズの案内所にも飾ってあった。
(10兆ジンバブエドル!)
最近だとキャッシュ不足で国内の銀行口座にあるUSDすら引き出せるかあやしいとして信頼されていないので、ビットコインのニーズが異常に高まっている。結果としてジンバブエの取引所におけるビットコイン価格の他国との乖離が著しい。
ジンバブエは1980年代にはアフリカの穀物庫と言われた程、農業生産を主軸として豊かな国だった。その時点の一人当たりGDPは韓国と同等だった。しかし、2016年はジンバブエは$1,100、韓国は$27,000と、とんでもない差が開いてしまった。
なぜこんなことになったのか?めちゃくちゃな経済運営のせいである。2000年以降ムガベ政権が白人の農場や鉱山を強制的に取り上げたため、白人及び外国資本が一斉に引いて経済が困窮してしまった。
ジンバブエは元々イギリス領南ローデシアだった。1965年からはローデシア共和国となったが、白人中心で人種差別政策が取られていたため、黒人はゲリラ活動を展開。UKの調停を経て1980年にジンバブエ共和国が成立した。
この時、UKとジンバブエの間で、白人の農場や鉱山を20年後に返すという契約が結ばれたとジンバブエ人は信じている。
しかし白人及びUKは契約を履行しなかったから、ムガベは動かざるを得なかった、悪いのはUKだと思っているらしい。
これについて本当に契約があったのか色々調べてみたのだが、僕にはその証拠(●●条約等)を見つけることが出来なかった。ムガベが国民に言い訳しているのか、それともUKが嘘つきなのか。どっちかは分からないし、片方または両方の可能性もある。
確かなのは、ジンバブエは現在とんでもない状況ということだけである。
ジンバブエの失速で得をしたのは近隣のザンビア、モザンビーク、ナイジェリア。かつては農作物を輸出していたのに、最近は農作物をザンビアから輸入する様になってしまった。
そして一大観光地のビクトリアフォールズに関しても、欧米からは経済制裁の名目でザンビア側のリビングストンにしか人を送らなくなった。USも経済制裁していて関係も良くないので、ジンバブエは最近中国と関係を深めている。ジンバブエは天然資源豊富なので、中国の狙いはこれだと思われる。
前述の通り2015年にはジンバブエドルは廃止され、現在はUSD、中国元、南アのランド等が法定通貨。しかし現地ではUSD以外ほぼ使われていない。
国がやばい状況っぽいというのはヴィクトリアフォールズの空港について直ぐ分かった。
この国はとにかくキャッシュがない!空港着いていきなりATMが使えないのである。なんで?と聞いたらキャッシュがないと。ちなみに街中のATMにもキャッシュはなく使えない。。。
クーデター
クーデターが起きたのは僕が南アフリカに居た時、11/15である。ジンバブエには行く前から注目していて、ムガベが変わらんとどうしようもないな、でも変われば面白そうな国だと思っていた。
また、南アフリカにいるジンバブエ人は副大統領だったムナンガグワをムガベが追放したことに対して文句を言っていた。
そしたら何とクーデターが起きたのである!!英語の報道だとapparent coupとなっていて、クーデターの様なものということになっているが、実態はクーデターそのものである。
そしてジンバブエ人の間ではもっぱら中国が裏で糸を引いているということになっていた。なぜなら軍部は過去に中国でトレーニングを受けており、軍部上層部はクーデター実行前の11/8に中国を訪問していたからである。そして元副大統領のムナンガグワも中国に隠れているという噂だった。中国政府は否定していたけれど、僕は深く関係していたと踏んでいる。
ムガベは11/19にテレビの生中継で辞任を発表すると思われていた。僕はその日にヴィクトリアフォールズに到着し、彼が辞任を発表する歴史的瞬間をテレビで見ていた。現地語のショナ語かなと思っていたが英語だった。少し聞き取りにくかったが95歳ということを考えるとすごく元気。
だが、、、なんとその時には辞任を発表せず!一説にはムガベが原稿を直前ですり替えたらしい。おいおい。。。
しかしその後弾劾か?辞任か?を迫られて11/21に辞任。
ムガベは国の独立を指揮した英雄である。とは言え最近の経済破綻を招いてしまったのも彼である。そうなった時に潔く引けるか、これが中々難しい。
キューバの時に書いた様に戦時のリーダーと平時のリーダーは違う。平時の時も途中まではうまくいっていたのだが、、、自分の間違いを認めるのは難しい、、、と改めて感じた。
ジンバブエにおける株価の動き
代表的な株価指数、ジンバブエ工業指数を見ると面白い動きをしている。
(出所:Investing.com)
今年の8月からめちゃめちゃ上がっているのである。これは中国との関係が深まっているからではないか。そして中国人の買いが入っているのではないかと予想する。クーデターが起き11/15から一気に下げた。今後は新しく大統領となったムナンガグワがどんな政策を打ち出すのかが見物である。
組閣は軍部を優遇し過ぎと言われているが、ジンバブエ人の期待は正直言って未だに高い。ムガベが駄目過ぎたことへの反動だろう。
僕はジンバブエは面白いと思っていて、国全体のリスクを取れるETFを探してみたが、存在しない。投資するには現地の証券会社の口座を開くしかなかった。しかしその為には銀行口座を開く必要があり、銀行口座は観光ビザでは開けなかった。。。
アフリカのエクスポージャーを取るETFについてはまた別途。
ジンバブエその他
人気があるスポーツ1位は断然サッカー。二位はクリケット。大英帝国支配下にあった国はどこもクリケット人気だな。ちなみに正式なクリケットは試合時間がめっちゃ長く、英国紳士のたしなみとしてティータイムもある!僕には絶対無理だわ。
南アフリカの記事で書いた様に、南アではジンバブエから働きに来ている人が多い。就労許可が簡単におりるのだ。公共医療も南アで無料で受けられる。他の国同様に、公共医療の質はいまいちで、遅い。私営は質が良く、速く、高い。
ジンバブエ人はまじめ。敬虔なキリスト教徒(主にプロテスタント)も多い。僕が会ったジンバブエ人は土曜に教会に行くと言っていた。聖書を良く読め、聖書には土曜と書いてあるぞ、とのことである。そして教会では聖書読んだり、ゴスペル歌ったりするらしい。