最後に勝つのは何でも出来るオールラウンダー

投資家の世界では、何でもやる(あらゆるアセットクラスに投資する)ってことはあまり良しとされていない。

VCやっている人はVC、PEやっている人はPE、上場株やっている人は上場株だけってことが多数である。

これは以前「投資家の不都合な真実。なぜ投資家は本業に集中すべしと言うのか」に書いた様に投資家の裏の投資家たるLP(年金や保険会社やファンドオブファンズ等)としては表の投資家(PE、VC、ヘッジファンド等)に幅広に投資してほしくないからってのが大きく影響している。

そんな中、僕は仕組債の様な投資する必要がないものを除くとあらゆるアセットクラスに触れて来た。リスクの低いものから行くと、以下の通り。

★債券:国債、社債、コーポレートローン、証券化商品シニア

★メザニン:証券化商品メザニン、劣後債、CB、優先株

★株式:VC、PE、上場株

★マクロ:先物、オプション、為替、コモディティ、株価指数、CFD

この中で債券、メザニン、株式は主に仕事(証券会社のプリンシパル投資、ファンドでの投資)で、マクロはJGB先物除き個人でやってきたものである。

触ったことがないものと言えばCDSくらいかな。CDSを原資産としたシンセティックCDOという形では触れたことはあるけど。

あと裁定取引(株式/債券レラティブバリュー、M&Aアービトラージ等)、設備投資勝負のHFT、マルチファクターのクオンツ運用(ここらへんは以前「シカゴの取引所とクオンツファンド」触れた)みたいなこともやったことないな。

なぜこんなに幅広にやってきたのか、、、それは色々な商品を見たいなと思って手を出した結果である。

僕はどんな世界でも、最終的に圧倒的に勝利するのは何でも出来るオールラウンダーだと考えている。

例えば将棋の世界だと羽生善治が有名だが、彼は特定の戦型に頼ることなく何でもやっている。最近なぜか人気の加藤一二三も大棋士だったが棒銀ばっかりで勝率はそれほど高くなかった。対策が立てやすいからだ。羽生善治より前だと、大山康晴も何でもありだった。

テニスだとやはり何でも出来るフェデラーは歴史を変えた。一方でロディックの様なビッグサーバーは嵌れば強いがサーブの調子が悪くなると厳しかった。

この何でも出来て柔軟性があるというのは、何に置いてもすごく重要と考えている。投資でもうまく分散を効かせれば一撃で致命的にやられることがないし、様々な投資手法や投資対象から相互に学びがある。

投資の世界でも、PEは自信あるけれど先物は全く分かりません、違うものだから、なんて人はたくさんいる。しかし僕はそれって本当かな?ちゃんと取り組もうとしてないからじゃないの??と思っている。

一方で一つの商品が分かっているから、似ているであろう他のものも直ぐ分かりますわ!というのも危険だ。例えば2000年代にPE出身者によるPIPEs(上場企業に対し、ある程度の割合を投資する手法)ファンド設立が流行った時期があったが、思った様な結果は残せなかった。USでも日本でも幾つかあった。USでやっている人と会ったことはないが、当時の報道を見ているとPEの作法を上場株にそのまま持ち込んで何とかしようしようとしていた気がする。

でも、昨今のアクティビストファンドの勢いをみていると、上場株でも投資先に働きかけるっていうのは間違っていないと考える。うまくやれば本当はもっと良い投資になり、会社のプラスにもなると思う。

勿論投資の世界で何でもやっている企業体がない訳ではなく、ブラックストーンは結構幅広い。今や世界最大規模のAMになったブラックロックも同根だしね。

と言ってもそんなにいない。

日本だとどうだろう、投資なら何でもやるって言うのはあまり聞いたことない。だから、オールラウンダーを僕は目指している。誰もやっていないことをやるのは良いことだ。そして誰かがやっていることはやる意味がない。

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