世界一周をしている中で、中国及び中国人のことをうらやましく感じる、、という話を聞くことが多かったな、と感じる。僕も2016年に中国の大手ベンチャーキャピタルと話した時にその凄まじい成績にびっくりした。10倍、20倍、のリターンをあげた投資が幾つもあるのだ。どういう投資?と聞いてみると、IPO前に投資して、IPOした後に直ぐ回収と言っていた。おいおい。。勿論彼らも永続的にこのリターンはあげられないと言っていたが。。。
世界中の人が中国をうらやましいと思うのは、①人口が多いのでマーケットが大きい、②特にITを中心として国内企業が守られているので成長しやすい、の二点である。
だが、①人口が多いということは、競合が多く競争も激しいということである。そして②国内企業が守られている、も同様で、外資との争いは少なくても国内の争いは厳しい。
そんな中、勝っている中国人起業家は例外なく爆発的に働いている。知り合いの中国起業家第一世代(国有企業の民営化)もそうだったし、上海で二社売却して三社目をやっている友達も、日曜の朝から晩までミーティングしていて、ようやく会えたのが日曜の夜。これは北京でも同じだった。
中国のITではアンフェアによって強い会社が作り出されている。まず、外資規制。そして最近は政府による巨大企業への肩入れ。アリペイの芝麻信用(クレジットスコア)なんて最たるものである。特定企業のデータを行政が利用しているんだもの。なお、多くの中国人はこのスコアを気にしていた。
そんな厳しい環境の中、勝って行くのは中国人と言えども中々大変だ。中国人の親は子供の早期教育に死ぬ程夢中である。僕は早期教育ははっきり言ってあまり意味ないと思っているのだが、中国ではそう考えている親はほぼいない。子供の頃から競争、いや戦争である!そんな中、どうすればビジネスの世界で勝てるのか?ひたすら働くしかない。当たり前である。
中国人のことをうらやましい~と思うのは別にいいのだが、その中では激烈な競争があり、勝っている人は爆発的に働いている、ということは気を付けた方がいいと思う。
そういう観点で言うと、日本人は逆に働く時間を減らそうとしているのでチャンスだなと感じる。勿論、無駄な残業や会議は止めた方が良い。無駄なものは無駄だ。無駄を削ぎ落とした上で、時間量を投下しないといけない。
あと中国人起業家に言わせると日本はとにかく判断が遅いとのことである。これはその通り。ただ、中国も行政含め全部速いかというとそんなことはない。M&Aにおける独禁法の審査は中国が世界で一番遅いと有名だ。
以上より、当たり前だが、①無駄を削ぎ落とし、②スピードを上げて、③爆発的に働く、これが勝つために必要である、ということを改めて認識している今日この頃、在中国。