深圳。全ては模倣(コピー)から始まる

深圳は最近、ハードウェアのシリコンバレーと言われ、日本でも注目されている。有名企業だと、ドローンのDJI、スマホと携帯電話基地局のファーウェイとZTE、歩歩高傘下でスマホ大手のVIVOとOPPO(この二社は近くの东莞)。あとはソフトウェアだけれどもWechatとゲーム、総合IT企業のテンセント。多士済々である。

僕は深圳に行ったことはなかったが、同じ広東省の东莞には行ったことがあった。日本の電子部品企業の工場に訪問したのだ。広東省は深圳・东莞・中山と日本企業の工場が多くある。これらは日本→台湾→広東と移って来た。台湾→深圳と来たのがホンハイである。広東の強みは内陸から働きに来る人をワーカーとして採用出来たので、比較的低賃金の状態が続いたこと。今は上がってしまったが・・・。

深圳は、鄧小平の改革開放を受けて、1978年に経済特区に指定された。その前までは香港の繁栄を中国人に見せない様に、敢えて全く開発していなかったらしい。

巨大な電気街、華強北

華強北は世界最大の電気街。秋葉原から萌えを取り除いて巨大化させた感じで、各ビルはごった煮だったり、何かに特化していたり。

ごった煮ビルでは本当に様々なものを売っている。消費者向けだと、3,000円くらいで買えてぐるぐる巻きに出来る、LEDガイド付きビニールピアノや中古スマホ。スマホ修理ショップもやたらとある。特化ビルの一例として、ビル一棟がスマホカバーだけ売っているというところもあった。各店舗、何の差別化も出来ていない。中国ではミニオンくんが人気らしい。

プロ向けのお店だと、プリント配線版、IGBTやダイオードの様なパワー半導体、暗号通貨マイニング用ASIC、コネクタ、水晶振動子、コンデンサ等、考えつく限りの電子部品がある。僕はパワー半導体の会社に投資したり、他の電子部品業界再編しようとしたり、色々考えていたので少し懐かしかった。というかわくわくした。

あとLEDも多かった。でもLEDを活用した照明の豊富さは、僕が照明通りと名付けたイランのLalehzar streetが勝っていると思われる。

繰り返しになるけど、華強北には萌えの要素はあまりない。アニメもない、同人もない、アイドルもない、コスプレもない、ゲームも少ない。いや、ゲーミングPCや冷却システムは売ってたな。現地新聞のスポーツ欄にもeスポーツが普通に掲載されていたし。

とは言え電気街ビル内もシャッターが降りているお店は結構ある。景気が絶好調というわけではない模様。中国の競争が激しいと言う話は以前書いた(「勝っている中国人は爆発的に働いている」)通りで、深圳内の競争も勿論激しい。みんなが注目している場所は、確かに全体としては伸びるけれど、個別においしい話は中々ない。競争が激しいからだ。もっとおいしい話は注目されていないところ、みんなが諦めたところにある。

深圳のビルの中には階ごとに食堂があり、お店でごはんを食べている。客が来ているにも関わらず、お店でタバコ吸ってる人も多い。あとスマホいじってる人多すぎ。これは電車の中も同様。

僕が深圳に行ったのは清明節というお休み期間だったこともあり、人が街に溢れかえっていた。人人人である。電動バイクも多い。このイーバイク、東京の西の方でもベトナム人が勝手に乗っているらしい。ナンバープレート着けているかは不明。そして深圳は電動バスも多い。

全ては模倣から始まる

深圳の羅湖は元々は衣料のコピー品で有名で、香港から買いに来る人も多かった。中国ではGUCCIが大人気で、見たことないデザインのキャップやTシャツ、バッグを持っている人が多い。ほぼほぼ偽物。まぁ最近は本家のデザイナーもいまいちなので何とも言えないけど、、、蜂とか虎の意匠、なんなの?各国でGUCCIの店員に聞いたけど、苦笑いの人と、私は好きですって人の半々だったぞ。
GUCCIはおいといて、今は中国でもオリジナリティある衣料ブランドも出て来ている。

スマホ大手、小米の実店舗たる小米之家では白物中心にあらゆる家電を売っていた。なぜかタオルも。小米は元々ネット専売のスマホメーカーだったが、実店舗中心のファーウェイ・VIVO・OPPOにシェアを奪われて発想を少し変えたらしい。そして小米之家の商品の梱包はアップルそっくり。

最強電気街たる華強北でもコピー商品、特にアップル模造品は多かった。中身一緒で包装変えただけというものも多いらしい。そういやファーウェイの店舗もアップルストアみたいだ。

深圳の中心から北東に行ったところに大芬油画村という場所があるのだが、ここは元々名画のコピーで有名。鳴門の大塚国際美術館みたいなものか。大塚は陶板だけど。てか大塚、入場料高過ぎやぞ。そして絵画村に行ったらびっくり!予想よりコピー品は売っていなかった。あったのはパロディものと、完全オリジナル。パロディものとは、男版モナリザとか有名画を少し改変した風刺画(もちろん対象は中国政府ではありませぬ)である。

上記の通り、衣料、電化製品、絵画、あらゆるものをコピーして来た深圳だが、真似ていくうち、しかも大量に数をこなすうちに品質が上がり、その後独自性が出て来た。これは何でもそうだと思う。学校の勉強も同様。まずは覚えること、解法を学ぶこと、そこがスタート。その後応用が出来る様になる。

プライベートエクイティにおいても一緒で、始めはなぜMDの方々は色々な発想が出て来るのだろう、と不思議に思っていた。その後様々なディールや他の人の事例に触れることで、僕も少しずつ、新しい投資ストラクチャーや業績改善のアイデアを思いつく様になった。

全ては模倣から始まる。そして数をこなすと品質が上がる。その後に、独自性があるものを生み出せるようになる。ということを改めて深圳で気付かされた。

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