ETFの優位性とロボアドバイザーの弱点

ETFの投資信託に対する優位性

一般論として、ETF(上場投資信託)ではない投資信託(ミューチュアルファンド)を買うのはあまり良くない発想だと僕は思う。
なぜなら①投資信託はETFと似た運用をやっているものが多いにも関わらず手数料が高すぎ、かつ②サラリーマンが運用しているからである。
投資信託の大半は預かった顧客のお金を増やす(パフォーマンスを上げる)ことよりも、1.運用額を拡大して手数料収入を増やすこと、または2.売買を増やして手数料を得ること、に腐心している。投資信託を運用しているサラリーマンが社内で評価される基準として最も重要なことは、ファンドのパフォーマンスを上げることではない。繰り返しになるが、運用額と手数料を増やすことだ。
勿論パフォーマンスがいいファンドにはお金が集まりやすいため、パフォーマンスと手数料収入が全く関係がないとは言えない。
更に言うと、投資信託ではパフォーマンスを上げても顧客の収益になる一方で、会社の収益にならない(ここ重要!)。しかし手数料は会社の収益になる。
なお、全ての投資信託がだめだと言う訳ではなく、手数料率が適切で、パフォーマンスを重視している良心的なファンドも勿論存在している。
本稿で言いたいことは、投資信託の仕組み上、良心的なファンドが生き残りやすいわけではない、ということである。
また、ヘッジファンドの様に顧客の利益と運用者の利益が一致しているファンドは、上記とは違う議論となる。

ロボアドバイザーってどうなの?

最近良く見かけるETFに分散投資するロボアドバイザーも、手数料が1%程度と高く、ETFの良い点を阻害していると思う。ETFの良い点は運用を外部に任せる仕組みを活用することで、投資信託に比して手数料率を劇的に減らしているところである。
ロボアドバイザーは証券会社のラップ口座やプライベートバンキングよりはましだ。しかし、たかが1%と思うかも知れないが、20年を超える様な長期だと複利での1%の差はとても大きい。
少し勉強すれば自分でロボアドバイザーと同じ(または似ている)分散投資のポジションを組むことは可能だ。そしてAI活用を唄っているものも多いが、ただの週次または月次の自動リバランス(資産配分が株や債券といったアセットクラスに偏らない様に調整すること)であって、本稿の読者がイメージするAIとは落差があるものも多い。
そして幾つかのロボアドバイザーのポートフォリオを見ていると、金(ゴールド)や銀に超長期投資って本当?と思ってしまう。いかにも自分で投資したことの無い人または学者が考えそうなことである。
一部のロボアドバイザーには投資を長くやった人も関わっているので・・・僕は更に不思議に思っている。

なぜ長期で金に投資してはいけないのか

金は株と違う動きをするケースが多い(相関が低い)ので、ポートフォリオ全体としては計算上のリスク低減にはなるのだが、金は超長期では株や債券に比べてほとんど上昇していない。これは少し調べれば分かる。金に20年を超える様な長期で投資をする余裕があるならば、株(株価指数に連動するETF、または手数料なしで信託報酬が極限まで低い株式指数連動型の投資信託)に投資した方がいいと僕は思う。
それではどんなものに投資すればいいのか??回答としてこちらの記事「何に投資すれば良いか分からない人は、これを買いなさい!」を書いたので、読んでほしい。
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